みなさま、いつも「看板の世界 Sign-World」にお越しいただきありがとうございます
すっかり梅雨らしくなりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
とても嫌な季節と思っている方は多いことでしょう。私もそうです。
しかし、私たちの主食であるお米を育ててらっしゃる農家の方々にとっては、梅雨が来ないと田植えしてもお米が育たないので、待望の梅雨といっても良いでしょう。お米は私たちの主食ですので、お米をいただく私たちにとっても恵みの雨(梅雨)ということになります。
秋には美味しい新米も出来上がりますので、ありがたく梅雨を迎えいれましょう
さて、地面から随分上の方にある看板のメンテナンスなどする時ってどうやってするのだろう?今回は、そんな疑問を解消する記事をUPさせていただきます
どうぞよろしくお願いいたします
みなさん、道路を通っていて建物や看板などに、足場を組んで看板工事をしているのを見かける事もあると思いますが、多くの場合、安全の為周りにネットをかけて作業をしているので、その中までは見えないのがほとんどです。
そこで、今回は看板の最上部が、地上から約17mに位置する看板の改修工事の模様をUPさせていただきます
前々回でも、少しご紹介しました福岡市博多区西月隈の「HDF」様です早速見ていきましょう▼【改修前】約10年の歴史がある「ドゥカティ福岡」様でした
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今回のリニューアルに伴い▼▼▼
▼【改修後】新しく「HDF」様としてリニューアル
▲合成写真に見えますが、本当の完成写真です!
スポーツ系ハーレーとドゥカティを取り扱うショップとしてリニューアルしましたポール看板の「ハーレーのマーク」後ろにそびえるのは、ハーレーのV型エンジンです改修したばかりなのに
このポール看板の写真の部分、新品に見えないでしょ?でも、新品の写真なのです
いえ、新品の写真ではないのです
理解できない説明ですね・・・
実は、このポール看板の表面ですが
元々は実物のビンテージバイクを写真に撮ってそのまま看板にするという計画でした▼そのビンテージバイクがこちらです
▲かなりレアなハーレーダビッドソンで非買品のようです
それがなぜ先ほどのような、何ともシックでアメリカをも想像させる看板になったかというと
▼ここにヒントがあります
▲先ほどの看板のエンジン、それがこのエンジン(現物)なのです
◆HDFオーナー様が「新しい物はどこにでもあるから、ここでしかない看板を作った方が楽しいですものね!」ということで、この様なユニークな発想の大型看板が誕生しました
◆でも、もうひとつのオレンジ色の「ハーレーのマーク」は?では、解き明かしましょう!
実は、大野城の「ハーレーダビッドソン福岡」様の旧ショールーム外壁に10年以上付いていた看板で、現在新しくなったショールーム内に取り付けられている看板を、写真に撮って看板デザインにしたのです
▼
こちらがその看板と「ハーレーダビッドソン福岡」様 新ショールームです
▲写真上部左にある「ハーレーのマーク」を写真に撮って一枚のデザインにしたのです
凄い発想でしょ?
多くの場合「かけた費用以上に高価に見える物」や「古い物でも新しく見えるように」といったお仕事のスタイルが当たり前のこの頃なのに・・・
10年以上前、あるいは、数十年間の経年変化した物をそのままの状態で写真に撮って拡大して看板にする。そんな仕事のやり方ははじめてのことですから、驚きの連続です
(最近マカオに、カジノと併設した大型ショッピングモールとホテルがオープンしたのですが、「建物の壁や柱などは、新しく見えたら駄目だ、数百年経ったように見せたい」というコンセプトで造られたそうで、見るものを魅了させる建造物だそうです)
先ほどの、ショールームにしても、本場アメリカに負けない歴史を感じるショールームと歴史ある品々があえて無造作に並んでいます
歴史を大事に思うオーナーだからこそ、このような発想が湧いてくるのだと思います。とても素敵な事だと感動しています
◆さて、看板の話題に戻りましょう◆今回のポール看板改修の工程です▼まずはこのように足場をかけます
この足場もHDF様のお客様の業者さんへ、私の方で手配させていただきました(凄く綺麗に足場を組んでいただき、綺麗なお仕事をするのには貢献度の高い足場でした。ありがとうございました)
▼なかには、すでにアルミ複合板を張りつけています
この青いのは、表面のキズ防止のビニール幕です
(張り付けている時の写真がなくてすみません)
▼青色のビニール保護幕をはがしたら白のアルミ複合板が顔を出します
1m×2mの板を並べて張り付けています
このまま、表面にシートを貼ると、板の継ぎ目からシートがヒビ割れしてくるので下記の対策をしています
▼アルミ複合板の継ぎ目(目地)全てに、アルミテープを貼っています
丈夫なアルミ複合板でも、夏冬や気温の変化で多少伸縮します
施工直後は問題ないのですが、数年ほど経つと、表面のシートが板の継ぎ目(目地)からヒビ割れするのをこのアルミテープを貼って対処しているのですよ
▼こちらが、今回使用した「アルミテープ」です
看板資材屋さんから購入しています
今回は特に、看板表面が黒色ということもあり、夏場の直射日光で内部は80度以上になるとも言われますので、きちんと対策をして永く看板を維持していただこうという願いでしっかり処置させていただきました
▼青の保護ビニール幕を剥がすと看板面が白くなっていますね
▼一方、すぐ2軒となりの看板の木村さんもこちらをこやかに見ています
◆今回、既存の大型看板に現地でシートを貼るので、シートを横方向に印刷して一番下の段から貼り付け、順に上を貼っていくという方法で施工しましたその為、貼っていくにつれ、上下に曲がらないようにある工夫をしますその工夫とは?▼チョークラインで真っ直ぐな線を入れいます
大工さんはよく「墨つぼ」という墨を使ったタイプを使いますが、看板屋さんは、後で線を消すので「チョークライン」で行う事が多いです
▼では、そのラインを見てみましょう。グレーに見えるのが先ほどのアルミテープです
青いチョークの付いた糸を、手前に引っ張って
「パチン!」と板に向けて離すとこのような線が付きます
▼次に今回印刷したフイルムシートを看板面に広げていきます
このシートコアのインクジェットプリンターで印刷しています
▼結構やりにくそうに見えますが、今回足場が良いので実は作業性抜群です。しかし
▼さっきのチョークラインにシートの上をあわせて幸せ。なんて冗談言ってる余裕はありません・・・
すばやく、糊の残らない布テープを使って位置を仮固定します
▼印刷の具合は?
綺麗でしょ?印刷するシートも、耐久性を格段とUPさせる為に表面に加工するUVカットラミネートフイルムも、日本製を使用しています
耐久性も抜群ですが、透明度もかなり高いです
◆私ども
コアのインクジェットプリント&ラミネートの品質はいかがですか?◆
さて、、このシートをどうやって貼る?はい
▼まず、中央部の裏面の離罫紙(りけいし)と呼ばれる台紙を?
▼「離罫紙カッター」と呼ばれるカッターで台紙だけをカットしていきます
▼更に隣にもう一回
▼「離罫紙カッター」は自由に動きます
映画「ジョーズ」(サメ)の水面から出たひれの様に自由に動きます
▼2本の切り溝により、離罫紙はこのような帯状に取り除かれ
フイルムシートの裏面(粘着面)が姿を現します
▼まず、この中央部を貼り付けてます
▼スキージーと呼ばれる「ヘラ」を使って丁寧にやさしく貼り付けていきます
これで、シート始まりの正確な位置が決まりました
▼次に、裏面の離罫紙を少しずつ剥がしながら、先ほどのスキージで丁寧に貼っていきます
▼あの手、この手で貼っていきます
左半分が終われば、同じように右半分を貼ります
◆この方法で、下の段から上の段へと進んでいきます◆
▼残すところもあと少し
▼こうして片面が完成しました
▼巨大エンジン、人をも吸い込みそうな大きさ
▼下の車と比較すれば看板の大きさが分かります
横幅は10m近くあり、縦も5mほどあります
もう一度近くでみてみましょう▼表面に水を張ったように、凄く綺麗でしょ
決して水をかけたり、ガラス板を表面にはっているわけではありませんよ
▼数々の足場の管をかわして貼った今回のシートです
▼上下のシートの重ねた部分は?
うっすら線が見える所です。今回、上下のシートを15ミリ重ねて貼り付けています
▼シートのつなぎ目も綺麗に柄が合っていますね
しかし、「これ本当に写真です?」
そんな、ご質問にお答えいたします
「これ本当に写真です」
クエスチョンマークが取れただけじゃない!と言われそうなのですが、本当に写真なのです
<しかも店舗の中に普通に置かれているハーレーのエンジンの・・・>
ここで【用語集】
ひとつのデザインの物を、このように分割して印刷する事を「タイリング」と呼びます
四角く「タイル状」にして分けることから「タイリング」と呼ばれています
▼私も一枚記念に
▼しかし、綺麗な写真です
勿論両面とも施工していますよ
◆今回、内部に雨水による腐食などあったので処置したのと
▼底板に水抜き穴と通気口を兼ねて開け風通しを良くしました
今まで内部の熱が結構こもっていたと思われるので、この対策により下から冷たい空気が上にあがり、熱気は上に逃げる様になります
ちいさな事の集大成が大きな差を生みます
こうして、本日も作業が完了いたしました
▼あとは足場の解体を待つだけです
おしまいに、大切な報告があります今回、かなりレアな年式のバイクのエンジンや、永年屋外で使用されていた実物の看板を撮影した写真が、このように綺麗に看板になったのには、印刷に使うフイルムシートやラミネートフイルムの品質、印刷機の性能も大きく関係していますが、それだけはありません。
看板の右下をご覧いただければ、答えがありますTAKUMIという文字が見えます?
実は、プロのカメラマン「TAKUMI」様のネームだったのです
店舗の中にあるレアなハーレーのエンジンと永年屋外に取り付けられていたハーレーダビッドソン福岡様の看板をTAKUMI様が撮影して、この2つを1つの写真にして生まれた。世界に例のないデザインだったのです
だから、こんなに綺麗に、また迫力あるアングルの写真が看板になったのです
僕も、このデザインデータをいただいた時には、かなり驚きました。
発想もですが、撮影した写真の合わせ方、他にもプロの方ならではの技が込められています
本当に凄い看板ですね
店舗オーナー様、プロカメラマンTAKUMI様による、大人のユーモアというか、ふところの深さというか、奥行きを感じさせていただき広告看板業をする者として言葉では表せない思いでいっぱいです
HDF様、TAKUMI様、この度は素晴らしいお仕事をさせていただき看板業者として感激しています。ありがとうございます。
そして、6月20にリニューアルオープンした「HDF」様このたびはオープンおめでとうございます。心からお祝い申し上げます。
(6月のプレオープンを終え、グランドオープンに向けて準備中です)
外装と店舗内の看板製作と施工をコアにさせていだき本当にありがとうございます
「HDF」様の発展を心から願っています
スポーツ系ハーレーからドゥカティまで取り扱う「HDF」様はこちらです今回は、かなりの長文にも関わらずに最後までお付き合いいただき本当にありがとうございました。次号もどうぞよろしくお願いいたします。
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